2019年09月24日

男の世界(byクスちゃん)

めでたく明治学院の女子大生になったある日、吉田コペちゃんに連れられて京橋のとあるビルへ、、、。そこは映画会社で有名な東映、当時その教育映像部という子供視聴覚用の映画や人権アニメを作ってるマジメ〜な部署にお邪魔した。

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東映会館、、、これは今の銀座

もう数十年も前のこと、メジャーなレコード会社からデビューするより前のことだった。
そこで映像の監督さんを一杯紹介して頂いた。私はワケもわからずペコペコもの。当時は女性で音楽制作をやる人など居ない、それどころかコペちゃんでさえ珍しい若手、という伝統世界。映画音楽を手がけるようになって、世の中にはこんな仕事があるんだ!と刺激的だった。

記念すべき第一回めの担当は理科教材用の『原生動物の世界』の音楽であった。ミトコンドリアテーマ曲も、ミジンコ組曲も屈辱的に全曲ボツった。それをコペちゃんが全部代演してくれた。
泣きながら京浜東北線に乗って帰る後ろ姿に、コペちゃんが『やめるか』と言い、私は『やめないっ』と叫んだのは覚えている。

そんな出逢った大勢の監督の中に、同世代の助監督が居た。ちょうど映画『男はつらいよ』(ごめんなさい、東映ではなく松竹)のガジロウさんのような魅力的な風情で、いろんな事を背中で教える世界の中での出逢い。
罵声飛び交い取っ組み合い殴り出す監督さんたちの中で、珍しく争いのしない楽しい人だった。彼はずっとコツコツとお仕事していて今は鈴木ビンメイ監督となった。私たちはたくさんの作品を作り続けた。

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(左)ビンメイ監督(右)コペちゃん

久しぶりにスタジオに来訪したビンメイ監督はナニかを企んでた。マブダチのコペちゃんと相変わらず話しが弾んでる。そしてあるシャンソン歌手のために作詞をしたからメロディをつけてくれなどと言ってきた。

なぜかわからないが男性は映画監督になると作詞をする。音楽家としてデビューしたいという監督も多い。芸術家肌なのだ。
私の手元には押井守監督の得体のしれない(←賛美)詩があるし、コペちゃんのデスクには大林宣彦監督の読めない楽譜(←現代アート)がある。今回もテンションMAXの2人はもう手がつけられないほど肥大しており、いったい何のために誰のためにCDを作るのかわけが分からないまま突入してしまう。

『男の世界』は『原生動物の世界』より奥深く細微に渡り、仲間として入るのはなかなか難しく迷うところ、、、、
ここは流れに任せるべきか、案の定深夜になってコペちゃんから『歌手の音域がクスちゃんと同じっぽいから君が作曲したら?、、、』などと振ってきた。なにか最短距離を計っての采配らしい。成功は間違いナシとは思うけど『男の世界』という教育映画にはミトコンドリアのテーマ曲もミジンコ組曲もない。あるのはただただ『男はつらいよ、、、』という泣き笑いに尽きる。

でもたぶん『ボツ』はない世界なんだろな。

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posted by コペ・ルニ・クスちゃん at 16:17| 東京 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする